雨仕舞(あまじまい)とは?
雨仕舞とは、狭義には、「雨水を建物外部に速やかに排出する仕組み」などの総称です。
弊社では、個人的に、建築における「防水」の概念、具体的には雨水の浸入をシャットアウトする在り様と対比するものであると捉えています。
防水の概念は、空間Aと空間Bがあるとすれば、水はAからBにも、反対にBからAにも移動することはできません。水蒸気も同様です。仕組みとして、AとBの間は絶縁されるからです。
雨仕舞はそれとは異なります。水はAからBへと流れるものの、BからAには移動しません。でも、水蒸気はAからB、BからAへと自由に移動します。したがって、空間Aが室内、空間Bが屋外だとすると、室内には雨水は入り込まず、水蒸気の出入り、すなわち換気ができるということになるのです。これが、雨仕舞の仕組みの一例です。
雨仕舞は
- 雨水を浸入させない
- 換気ができる
建物が長持ちする
防水では建物は維持できない?!
建物表面をすべて
ラッピングするように
防水してしまったら、
内部結露で腐食や腐朽が
進行してしまうかも……
換気ができないから
内側の水分がこもり、
腐食や腐朽で雨漏りし、
さらに建物全体が
ダメージを負う悪循環に。
お問い合わせ・ご相談は
お気軽に!
お急ぎの方はお電話で!
受付8:30~20:00
定休日年始、夏期、GW休暇
よくあるお問い合わせに
こんなものがあります。塗り替え工事をした後に雨漏りした
施工した会社に、なんとかしてほしいとお願いしたけど、
- そもそも塗装と雨漏りとは関係がない
- 施工範囲でない箇所が原因である可能性が高い
って取り合ってくれない……。
「塗装職人」は、
キレイに塗ることに
長けているのであり、 建物の仕組みを理解して
いるわけではない
建物についての知識を持つ
雨仕舞プロフェッショナルに
よる塗装がベスト
「塗り替え工事」ではなく
雨仕舞のための「改修工事」のために
ヒアリングと
図面による調査
気になるところはないか、様子が変わってきたところはないか、などをご質問いたします。また、塗り替え工事を行おうと思われたきっかけをお伺いしています。
ご用意いただいている建築図面を、コピーをいただきます。
実際の建物には、サイディングなどのパネル外壁におけるシーリング目地や、雨どいなどが、図面に記載されていないことのほうが多いためです。現場調査にて、図面に書き加えていくという作業が必要になります。
この作業により、より正確性のある数量の積算にすることができます。
ドローンではできない
屋根の調査
塗装の見積のための調査ではなく、建物が現状どうなっているかを知るための調査を行います。特に、雨仕舞がされているかどうかに注目します。
直接上って確認させていただく理由としては、下記のようなものがあげられます。
写真のような板金部を手で引っ張り上げ、外れそうになっていないかを確認します。暴風が吹いた後に板金(棟包みなど)が飛んでいってしまっていることがあります。また、引っぱることによって、下地の木材が腐朽していないかを確認できます
スレート瓦材の重なり部に縁切りがなされているかをチェックします。写真のように、前回の塗装工事の際に、縁切りをせずに塗装されてしまっていると、雨水の排出が妨げられ、雨漏りのリスクが高まります。
焼成瓦の屋根ですが、「すがり」と呼ばれる部位の納まりが不具合を起こしています。すき間が開いており、雨水を受ける形状になっています。設計段階での瓦の寸法による不具合が原因と考えられます。
上記のような場合、ドローンでははっきりと調査結果がわかりません。直接上ってみないとわからない不具合と言えます。
外壁の調査
建物が発している不具合のシグナルを見落とさないよう、既存塗膜のはがれや、ふくれを中心に、ひび割れやシーリングなどを総合して調査します。こちらも雨仕舞の原理を元に調査します。
とくに、塗膜はがれ・ふくれには、ほぼ水分が介在しています。水を吸っている可能性があるので、腐食(腐朽)していないかどうか調べていきます。
外壁がわずかにふくれています。
ふくれの原因には水分が介在し、水を吸っている可能性が極めて高いので、この上部を調査する必要があります。
上部はモルタルがむき出しになっており、ひび割れも起きていました。これでは雨水が浸入してしまいます。
雨水の出口となる下部は、塗膜で隠蔽されてしまっているため、入った雨水は排出されずに留まってしまいます。腐朽の危険が高い状態です。
サーモグラフィー
カメラによる調査
「サーモグラフィーカメラで雨漏りを見える化する」のではなく「建物の低温部を発見、水分を伴っている可能性あり」
サーモグラフィーカメラは、温度の差を検知する計器です。雨水が建物に浸入してきた位置を突き止めることは、基本的には不可能です。
水は、上から下へと移動します。つまり、水があることで低温部になる部分は、雨水の浸入口ではなく、雨漏りしている箇所の真上や、雨漏りしていないものの、天井や上げ裏に雨水がたまっている箇所となります。
玄関のバルコニー上げ裏(玄関外の天井部分)をサーモグラフィーカメラで撮ったものです。青く表示されている箇所は低温部であり、水分を伴っている可能性があります。
上げ裏材を撤去したところ、低温部として表示されていた箇所には、予想通り水がたまり、下地材を腐朽させていました。
弊社は、塗り替えのための調査でも、サーモグラフィーカメラを持参しています。
なぜなら、上記のようなことが明らかになった場合、 塗装よりも、雨水が浸入した原因を突き止め、改善しなければならないからです。
バルコニー・
ベランダの調査
バルコニーやベランダの雨漏りについては、よくお問い合わせをいただきますが、こちらの床防水は、案外しっかりしていることが多いです。その中でも、下記のような例がみられることが多いです。
ケース1
サッシによる防水、外壁による防水、バルコニーによる防水が場所を取り合ってしまった結果、納まりが悪くなり、雨漏りのリスクがたいへん高くなってしまっています。新築当初から雨漏りのリスクを抱えている状態です。
対応
一般業者:再防水などを提案
弊社:防水ではなく、弱点である箇所の、雨水の流れを変える提案
ケース2
手すり壁(落下防止の袖壁、「腰壁」とも言います)の上端に取り付けられている「笠木」と呼ばれるフタ状の金属部です。一見すると不具合が起きているようには見えませんが、笠木の上の脚部根元から雨漏りしており、手すり壁内部の木材が腐朽していました。
対応
一般業者:見た目の劣化がないため、特に何も提案しない
弊社:笠木の雨水が浸入しやすい箇所を踏まえた止水を提案
調査報告書は「根拠が全て」
調査報告書は、これから行う工事において、
お客様と施工者の合意を図る上で
「具体的にどういった現象が起きているのか」
「それはなぜ起きているのか」
に関して、必要なエビデンス(根拠)を提示するものです。
弊社では上記を明確にした調査報告書を提出しています。
雨漏りにお困りの際は
「雨漏り診断士」の資格を持っている
「雨仕舞」
プロフェッショナル集団の
弊社におまかせください!